赤松・鈑戸の郷愁風景

鳥取県大山町【農村集落】 地図(赤松) 地図(鈑戸)
 町並度 5 非俗化度 10
 −大山北麓の集落 大山寺の参詣道にもあたっていた−
 


 


 
 赤松地区の遠望  
 



 
赤松の町並 
 
 ここでは大山北西麓にある二つの農村集落を紹介する。
 赤松地区は米子方面から大山に向う道と、大山裾野部を周回する道路とが交差する位置にある。裾野に位置し付近は比較的平坦な土地が展開している。
 大山領中組に属していた江戸期には組の大庄屋が置かれ、下家と椎木家がつとめていた。それに由来する御宅なのだろうか、黒瓦を載せた厳かな塀に四囲を囲われた邸宅が町並風景を引締めていた。この存在からも小さいながらも地域の拠点といった風情が漂っている。
 赤松地区から標高600mほどの鍋山を越えた反対側の谷間に
(たたらど)地区がある。地名はたたら製鉄が行われていたことに因むという。細い流れに沿った標高300mほどのところに街村状に家並がある。これは大山へつながる道(坊領道)の名残で、現在の米子市郊外の淀江港などから大山寺に通じていた。徒歩での参詣が一般的だった頃は、そうした人々の往来も少なくなかっただろう。
 緩やかな細い坂道に沿い、裕福さを感じさせる家々が適度な間隔を持って連なっていた。長屋門を思わせる立派な門構えもある。土蔵も散見され、妻部などに鮮やかな鏝絵を持つものもある。
 
 



 
鈑戸の町並 
 

 地区を流れる小川の源は集落南東外れにある大野池で、水量豊富らしく水音が清冽で、家々の前には水を引き込んだ洗い場や取水場もあるなど、生活風景の一部となっていた。  
   
 



 
 川の水を取り込んだ箇所が所々見られる  

訪問日:2025.07.05・06 TOP 町並INDEX