赤岡の郷愁風景

高知県赤岡町<街道集落・商業町> 地図 <香南市>
 
町並度 5 非俗化度 8  −酒豪を競う祭が行われる町には水切瓦が見られる−







 土佐の町並によく見られる水切瓦といわれる側面の張り瓦。暴風雨から漆喰の外壁を守る知恵です。 水切り瓦の路地

 
 赤岡町は、高知市の東約20kmに位置している、全国で2番目に面積の小さい太平洋岸の町である。
 今の国道55号線より一筋山手に、旧土佐東街道が通っている。ややもすると車でいつのまにか通過してしまうだけの町であるが、この旧街道沿いに圧倒する古い町並とまでは言わずとも国道沿いとは違った少し鄙びた家並を見出すことができる。
 赤岡町域より香家川を跨いで隣の香我美町にかけて、厨子(つし)二階といわれる中二階形式の背の低い旧家を、沿道の所々に見かける。それらの家々は、側面に水切り瓦を三段、四段と備え、二階正面部分には張瓦を施している。この張瓦は山陽地方では一枚のみだが、ここでは三枚、四枚と重ね壮観である。これらは風雨の強い土佐独特の工夫の技であろう。
 江戸末期、この地出身の弘瀬金蔵(俗称絵金)をまつった「絵金祭り」が毎夏開かれ、その迫力ある屏風絵が各家の軒先に並べられる。また、ここは土佐の酒豪振りを競う「どろめ祭り」の開催地としても知られる。土佐の真髄のような町である。
 なお、川向うの香我美町域にも風情のある町並が見られ、絵金資料館のあたりもなかなか見応えのある佇まいである。






町並に流れる雰囲気がどことなく南国らしく開放的です。 町並東部、香我美町域の絵金資料館付近。
さらに東にも土佐東街道の家並が少し残っています。


訪問日:2002.04.28 TOP 町並INDEX