網野の郷愁風景

京都府網野町<産業町> 地図 <京丹後市>
町並度 3 非俗化度 8 −整然とした街区が展開する丹後半島基部の町−







 丹後半島の北側の基部にあたる位置にある網野町。中心市街地は福田川の河口近くの平地に展開し、北側は日本海に面している。比較的広い市街地を有している。
 丹後半島一帯で盛んに行われた絹織物、特に縮緬織は当地でも江戸末期から明治にかけて本格的に基幹産業として定着した。漁業はイワシなどの地引網漁、貝類や海藻類の採取漁業が主で、やはり織物産業で発達した歴史が大きいところである。
 1927(昭和2)年に北丹後地震が発生し、被害は甚大で域内2600軒のうち1900軒余りが全壊あるいは火災で焼失した。そのため現在市街地に見られる建物はほぼそれ以後の建築である。また復興に際して抜本的な宅地整理が行われており、地図を見ても、また実際訪ねても碁盤の目状に直交する街路で占められているのがわかる。
 従って、本来は縮緬産業をはじめとした産業で富を築いた商家などが残り、古い町並を形成していても不思議ではないが、見応えのするような伝統的な建物は見られないのが惜しまれる。しかしそれでも所々に商家を思わせる古い構えの建物が散見され、幾分かは古い町並の匂いを感じ取ることはできる。











訪問日:2016.11.13 TOP 町並INDEX