安堵の郷愁風景

奈良県安堵町<在郷町・農村集落> 地図 
町並度 5 非俗化度 9 −大和盆地北西部の小さな在郷町−





東安堵の町並
 安堵町は大和郡山市の南西側、大和盆地の一角にある面積の小さな町である。古くは西安堵・東安堵・笠目などの5ヶ村にわかれており、多くは農村集落であった。


西安堵の町並








東安堵の町並
 

 江戸時代に入ると大和盆地一帯で盛んに行われた棉作がここでも主流となり、また裏作として菜種などの栽培も行われていた。後期になると菜種を絞り売る商家も現れ、小規模ながら在郷商業町として息づいていた。小さな街道筋には様々な商店が軒を連ね、近隣の諸村の商業中心となっていたという。
 商品や作物は町域の南を流れる大和川を通じて大坂に運ばれ、その見返りに日用品などを得ていた。川運に乏しい大和盆地では比較的恵まれた方で、土台は農村集落でありながら商業が発達した要因も大和川の水運にあるようだ。
 町の中心は西安堵・東安堵地区で、県道の南側に旧来の街道筋が残り古い町並が展開している。元々農村集落だったらしく、塀に囲まれた敷地の広い屋敷が目立つ。街路に面して大きな土蔵が建つものもある。時折屈曲する道筋は自然な感じがして、のびやかな昔ながらの集落といった印象を抱かせた。
 

 
訪問日:2010.03.28 TOP 町並INDEX