窪田の郷愁風景
奈良県安堵町【農村集落】 地図 町並度 4 非俗化度 7 −豪農・中家を中心とした農村集落− |
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重要文化財・中家住宅 | |
安堵町は大和盆地の中央部にある南北3km・東西2kmほどの小さな自治体で、南端を大和川に区切られ、町域中央と西端にその支流が流れ全体的には低湿地帯となっている。 窪田地区は町域南部の大和川左岸にある。地名が示すように度々洪水の被害を受けてきたが、近年河川が改修され頑丈な堤防が築かれている。それに守られるように展開する集落は東西500m弱で、細い小路と水路が巡り、瓦を葺いた門を従えた家々などが連なり農村集落らしい景観を示している。 江戸期は平群郡に属し多くの時期は幕府領であった。宝永4(1707)の記録では141軒の家は全て百姓であり、稲をはじめ木綿、大根、粟、小豆や大豆を生産し、筵や縄、木綿などにより農間稼ぎを得た。 この集落で必見なのが重要文化財に指定された中家で、見学できるものとの思いで訪ねたが、事前予約が必要とのことで外観のみにとどめた。邸そのものが二重の濠に囲まれた城郭のような造りで、主屋は万治2(1659)年頃と推定され見事な大和棟を持ち、周囲には三棟の土蔵を従えている。地場の豪族から帰農した家らしく武家造と農家造を兼ねた建物となっているのが特徴である。 中家の存在で俄然探訪価値の高まる集落といえよう。 |
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訪問日:2020.09.19 | TOP | 町並INDEX |
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