和歌山県金屋町【在郷町】 地図 <有田川町> 町並度 3 非俗化度 8 −有田川中上流域の物資が集結した− |
所々伝統的な構えも見られる金屋の商店街 | |
金屋町は県の中部、高野山の南あたりに源を発し紀伊水道に注ぐ有田川沿いに町が展開している。河口からは10km余りとやや内陸に位置するが、山間部ではなく農地が広々としており、蜜柑栽培などでも知られる。 上流側に数多くの農山村があり、平野部に出る位置にある金屋はいわゆる谷口集落として古くから発達した。各地からの農産物、また木炭などが集められ、川運を利用して川下に運ばれた。また蜜柑運搬にははひらた船という川船が往来していた。川沿いには商家、商店がならび、日用品や必要物資を積んでまた上流に戻っていく流れが出来、在郷商業町として繁栄した。 大正5年に有田鉄道が金屋口から湯浅まで開通すると「蜜柑列車」が組成され、ますます町は発展を見た。同15年に紀勢本線が藤並まで開通し接続駅となると旅客も増え、谷奥からのバス路線も整備されるなどして最も賑やかな時代を迎えた。 町の中心に立派なトラス橋の金屋橋があり、歩くとこの左右岸に町場が発達した様子がうかがえる。今は大型店舗に客が吸い取られているのだろうか、店を閉じている姿も目立つがかつてはメインの商店街だったに違いなく、古い構えを残しているものも少なくない。 右岸側では、そういった街区から少し外れると門を構え、小路から控えた位置に主屋を構えた家々が連なっていた。裕福な蜜柑農家として財を積み重ねた家々なのかもしれない。 |
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右岸一帯には裕福な蜜柑農家を思わせる町並も見られる |
訪問日:2024.09.16 | TOP | 町並INDEX |
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