芦辺(芦辺浦)の郷愁風景

長崎県芦辺町【港町・漁村地図  <壱岐市>
 町並度 5 非俗化度 8 −壱岐島を代表する港町の一つ−



芦辺浦の町並
 
 壱岐島には旅客船の発着する港が3つあり、島の北東部にある芦辺港には博多からの高速船も運航されている。
 深い入り江を挟んで壱岐八浦のうち芦辺浦・瀬戸浦の二つの港が古くから発達していた。








 江戸時代には全島が平戸松浦氏の支配下に置かれており、そのことが現在も長崎県に属することの由来にもなっている。松浦氏は、海辺の寒村にすぎなかった芦辺に港を築造し、また後背地の平野部を耕作地として開発、内陸部には桑や楮などの商品作物の栽培を奨励した。
 芦辺浦は入江の南側湾口付近に集落を展開する。密集型の漁村集落というよりは、どちらかというと町家風の建物が目立ち、商業町的な町並の外観である。芦辺では廻船業も興ったのだろう、酒屋7、麹屋8など商家の記録もある(『壱岐国続風土記』)。幕末の文久年間の記録では53隻の船舶を有していたという。
 町並は面的な広がりを見せ、1階部分が開放的なつくりになっているものが多いのはもと店舗の名残なのだろうか。一方、格子が綺麗に残されている旧家もあった。
 旅客船の発着する港周辺は後年になって埋立てられた地区にあり、周囲は殺風景で近くにこのような町並が展開しているとは思いにくいところである。
 




石垣が主役の印象的な風景も残っていた




 ※文章の一部は「芦辺(芦辺浦)の郷愁風景」と共通

訪問日:2015.01.03 TOP 町並INDEX