浅間温泉の郷愁風景
長野県松本市【温泉町】 地図 町並度 5 非俗化度 6 −松本の奥座敷と呼ばれ藩主・士族などにも利用された格式ある温泉地− |
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浅間温泉は松本の市街中心より3km余り北、女鳥羽川流域の平地から東側の緩やかな斜面にかけて温泉街が展開している。松本の奥座敷とも言われ、歴史ある温泉場である。 |
浅間温泉三丁目の町並 | |
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浅間温泉三丁目の町並 右は老舗旅館(飯田屋別館)の建物 | |
古くは日本書紀にも記述が見られるほど歴史が深く、室町期頃から深志城(現在の松本城)主の保護を受けていたといわれ、江戸時代に入ると藩主専用の茶屋が設けられるなど本格的に利用された。当時の記録『信府統記』に、「浅間村ノ茶屋ハ此所ニモ温泉アリ故、城主ノ入湯所ナリ」とある。この頃には、浴場は区別されたが要人のみならず一般庶民にも解放されていた。 特に江戸後期になると宿稼業の者が増え、湯治目的のみならず善光寺参りなどの客の利用もあった。弘化4(1847)年の書上帳には、「外湯附近に入湯人客の稼ぎの者二十四人、手拭しぼり・かりかね絞りを職業とする者二十九人、店商いをする者十三人」等とある。その他女鳥羽川対岸の善光寺街道岡田宿の助郷もつとめていた。 平地から山裾にかかる辺りに温泉旅館が散在しているが、平地から麓附近にはやや大型の旅館が目立つ一方、坂道に沿っては昔ながらの外観のものも多い。中には木造三階建ての堂々たる構えの旅館もあった。広大な敷地を持つものもあり、それらはかつて身分の高い者専用の浴場だったのか。海鼠壁の土蔵もあちこちに見られ、町並に風情を加えていた。 旅館のほか数箇所共同浴場があるが、それとは別に所々には地元の人が共同で管理運営する、地元の方専用の共同浴場があり、タオルと洗面器を持ってその小さな建物に入っていく人の姿も見られた。 |
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![]() 浅間温泉一丁目の町並 |
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浅間温泉三丁目の町並 | 浅間温泉一丁目の町並 |
訪問日:2014.09.14 | TOP | 町並INDEX |
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