阿波半田の郷愁風景

徳島県半田町<産業町・在郷町> 地図 <美馬市>
 
町並度 4 非俗化度 10  −塗物で一世を風靡した町−



半田(阿波半田駅近く)の町並

 半田町は吉野川中流域、川沿いを国道192号が通過し、また徳島本線の駅も設けられ徳島や池田と結ばれている。
 半田素麺の名で知られる方も多いだろうが、市街地は川沿いからやや離れた盆地に展開することから知らぬ間に通り過ぎてしまいがちである。




半田の町並


 江戸期は在郷商人町として山間部の農産品、特に煙草と藍が集結されそれを取引する商家が立地し、また地場産業も発達した。代表的なものに半田塗と呼ばれた漆器がある。大層有名な特産品であり取引先は大坂をはじめ播磨・備中・安芸・伊予など瀬戸内地域全体に商圏を持ち、後に九州を含む西日本全体から江戸に拠点を構える商人も現れた。
 明治以降も半田漆器は隆盛を誇り名産品として高い知名度を誇っていたが、昭和に入ると急速にその勢いが衰え、素麺生産に取って代わった。
 阿波半田の駅付近にもやや古い佇まいが残っているが、盆地を形成する半田川に沿う形で形成された市街地に主に古い町並が見られる。その風景は町家が軒を接する都市型・街村型ではなく、土蔵や邸宅が自然な形で連なる姿であった。その規模は大きくないものの在郷町として賑っていた当時を想起させるには十分であった。
 







訪問日:2010.09.19 TOP 町並INDEX