黒忠の郷愁風景

岡山県美星町<商業町> 地図 <井原市>
 
町並度 5 非俗化度 10  −台地の尾根状の地形に立地する街村的集落−





黒忠の町並


 国道313号線で井原市方面から北に向い、美星町から川上町への小さな峠の手前を右に折れると、坂を上った後比較的平坦な地形が広がり、尾根筋から少し下がった位置に家並の連なりが見られる。
 集落の立地する地形としてはやや特殊といえよう。ここは古く八日市と呼ばれ、名のとおり定期的に位置が開かれていたことに由来するという。山間に急に現れる集落にもかかわらず街路の両側に密度濃く家並が連なる都市型の町並であり、年代の古い建物はもと商家・商店であったことがわかる造りになっている。一部にはつし2階建てという2階部分の立上りが低い構造で、海鼠壁等の意匠が残るものもある。
 この街路はそのまま南下し旧山陽道の七日市宿(現在の井原市街)に達していた。七日市と八日市。一日違いの市が立っていたということなのだろうか。
 印象的だったのが、山間の辺境といっても良いような場所にあって、寂れた雰囲気を感じない点である。むろん最盛期より人口は減少しているのだろうが、見たところ無住の家屋は少ないようだ。また取り壊され更地になっているような場所も少なかった。
 意外性を強く感じる町並といえよう。
 




町並の中心はやや低い地形で 前後は尾根筋に向う坂道となっている





訪問日:2014.04.27 TOP 町並INDEX