小さな郷愁風景〜福島県の風景〜

都路の風景








 


 都路村は阿武隈高地の中央、中通りと浜通りの中間に位置する山村である。幾つかの街道が中心地である古道築で交差し、街道の要衝として古くから集落が発達した。馬産と木炭が主な産業で、それらは三春藩に献上された。
 情報によると重厚な古い町並が残っている様子で、期待して訪ねたが、幾つかの建物が取り壊されたらしくどうもイメージ通りではない。それでも役場の建物付近にはもと茅葺と思われるトタン葺きの大柄な屋根の建物が数棟見られた。周囲には旅館の建物など、ささやかながらも地域の中心であった面影が残るが、やがてはそれらも淡くなるように思え、既にその過程にあるように感じた。

 (23.04.01)
 

 

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