小さな郷愁風景〜茨城県の風景〜

取手市の風景 








 取手市は江戸時代には水戸街道の宿場町のみならず利根川水運の重要な拠点として位置づけられており、大名の宿として使われた本陣をはじめ旅籠・宿屋が数多く存在したほか、商家も多く建ち並んでいた。
 首都圏に含まれる現在、残念ながら町並としてかつての歴史性を感じることは困難になっており、旧街道沿いには廻船問屋・造り酒屋を営んでいた新六本店(現在は奈良漬の名店として知られる)が伝統的な構えを見せているのが唯一の姿といってよい。

 (14.05.03)
 

 水戸市東照宮界隈の風景 
 

 

 


 

 水戸駅の北西側の小高いところにある東照宮は、江戸初期の水戸藩成立直後に徳川家により建立され、家康を祀る神社として代々守られてきた。
 参拝したあとは周囲にも目を向けたいところだ。石段を降りると昭和の雰囲気に満ちた宮下銀座商店街があり、参道ともなっている。
 丘を挟んだ反対側はかつては遊興の地でもあったという。現在は飲食店が並んでおり、こちらもやや昭和的な情景である。それらしい名残は、俄か訪問では見出せなかった。

 (23.04.02)
 

水戸市大工町・泉町界隈の風景
 



 
 



 


 水戸の城下町時代からの市街地は、台地上の上市と平坦地の下市に二分され、戦災に遭っているものの上市にあたる国道50号沿いからその北側の大工町・泉町付近には若干古い姿が残されていた。中でももと銀行と、交差点に端正にR形状に二階部分を立ち上げた「泉町会館」とある建物が印象的だ。
 裏路地に入ると飲食店・繁華街となっており、表通りの印象とはまた異なる雰囲気だ。一角には料亭もあり、鰻料理で有名な中川楼は1822(文政5)年創業という老舗である。
 起伏のある町との認識はなかったが、歩いてみると先の東照宮界隈とならび坂道の多いところである。

 (23.04.02) 

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