小さな郷愁風景〜京都府の風景〜

島原遊郭の風景 (京都市下京区)




 江戸期に花街として大いに賑わいを見せたこの島原遊郭も、現在では住宅地と化しており面影はない。しかしわずかに残る幾つかの遺構は賑やかであり華やかであった頃のことを想起させてくれる。
 左上は島原を代表する揚屋(芸妓を呼び宴席で客を歓待する施設)であった角屋。豪商の家でも考えられないほど広い間口は16間(約29m)もあり、全面格子窓の外観は威圧的ともいえるほどである。公認の遊郭であり客層も身分の高い者が多く、文化人も多数訪ね和歌・俳諧やお茶の席もあり文化の発信元としても重要な位置を占めていた。
 当時の揚屋建築はもう一軒、輪違屋(右上)が現存している。
 (03.10.05)

東舞鶴の風景 (舞鶴市)
 舞鶴市は通称西舞鶴と東舞鶴に市街地が分かれ、それぞれ成立が異なる。西舞鶴は藩政時代の城下町を基盤にした古い町で、東舞鶴は今でも海上自衛隊が置かれていることが示すように、明治期に海軍の基地が置かれ軍港として発展していった町である。
 従って東舞鶴には古い町並といえるものは残っていないが、明治後期に建造された煉瓦造りの倉庫群が残り独特の風情のある一角がある。
 現在は使用されていないようであったが、これだけまとまって煉瓦建築が残るのは全国的にも珍しい。何とか保存活用して頂きたいものである。

 (04.08.13)

新井の風景 (伊根町)

 伊根の名は伊根湾沿いに展開する舟屋の集落でよく知られており、実際訪ねると日本海側らしからぬ穏やかな入海の漁村風景が連なっており、心安らぐような景色である。
 この舟屋の原型ともいえるものが、伊根湾を北東側に外れた新井集落で見られる。ここも北・東側を囲まれた小さな入江で、常に波静かな所なのであろう、妻入りの舟屋の1階部がスロープ状となり漁船を収納する仕組となっている。町の中心で見られるものより機能的・原始的ともいえ、伊根湾でもこのような舟屋が連なっていたものと想像できる。
 但し集落の周りは左の写真のように切り立った険しい海岸がじかに外海に面していた。

 (04.08.13)

下川原の風景 (向日市)

 京都から山陽道の西宮宿までを結んでいた旧西国街道。その道筋には都市部にも関わらず古い家並が多く残っており、この向日市下川原もその一部である。
 ここは宿駅としての位置付けはなかったようだが、近年の道路改修から奇跡的に残されたことで、家並諸共風情を強く感じることが出来る。向日市はこの街道筋と家並を保存する姿勢を示して居られるようで、石畳調に改装され、伝統的な家々もこざっぱりと整えられていた。人工的な嫌味を感じさせない整備は好感が持てた。

(05.09.04)





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