小さな郷愁風景〜新潟県の風景〜


新発田の風景 






 
 
 新発田は藩政時代溝口氏の城下町として発展し、古くから町の形が整えられていた。しかし現在この町を歩いても、町並としてはほとんどその歴史を嗅ぎ取ることはできない。
 しかし一角には下級武士であった足軽の長屋が現存し、全国的にも極めて貴重なものとして注目されている。武家自体簡素なつくりであった例が多く、ほとんど残っていない中で、下級武士のものが今にその遺構を留めるのは長屋形式であったからなのかもしれない。
 長屋に接しては藩の下屋敷が清水園として保存・公開されている。周囲には土蔵や板壁の巡る小路もあり、僅かながら城下町時代の面影を語り継いでいる。
 付近には寺院が集められた地区もあり、景観整備もされ足軽長屋付近とあわせ良い散策路である。

 (07.05.03)
 

 

西島の風景 (新津市・現新潟市秋葉区) 


 


 
 



 

 
 信越本線で新津から一駅長岡寄りにある古津駅の北西方に展開する農村集落・西島。二つの寺を中心に配し、そこを中心に街路が展開し家々が立地している。
 立派な構えの家々が目立ち、付属の土蔵などが織り成す集落風景が魅力である。
 この集落の水源は丘陵部から引く用水に古くから頼っていたが、水量が一定しないのが悩みであった。集落内にある池には地蔵様が祀られているそうで、渇水時に村人が池のほとりから一心に祈ると、三日後に雨が降り田畑は息を吹き返したという言い伝えがある。


 (24.04.12) 

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