小さな郷愁風景〜島根県の風景〜


鵜峠の風景 (大社町)







 
 古い町並本編「鷺浦」より東へ1kmほどの鵜峠地区にも、同様の古い漁港のたたずまいが残っている。集落内の道はますます細く迷路状で、車が入れる余地はなく、よそ者は安易に入り込めないような雰囲気がある。
 乱積みされた漁具や路地の情景は鷺浦以上の素朴さを感じさせ、漁村の原型を見る思いがする。

 (02.03.23)


宇津川の風景 (益田市美都町)




県西部の内陸部、2本の川が合流する小盆地的なところにひっそりと開ける宇津川集落。古くから小さな街道の合流点にあり、小規模な町場が発達していた。
 たたら製鉄や木炭生産で栄え、明治以降は養蚕や藺草栽培、畳表などが盛んだった。
 現在歩いても石見瓦の家々は重厚さが感じられ、また洋風の建物が残るなど古くからの町であることがわかる。

 (15.07.19)




一畑薬師門前の風景 (出雲市) 
 

 



 
 



 
 

 一畑薬師は島根半島の山間部にある禅宗の寺院である。平安期に遡る非常に古い歴史を持つ寺で、特に「眼の薬師さま」として有名であり、多くの参拝客がある。
 門前には小規模ながら土産物屋街があり、それらは昭和の雰囲気が色濃く、古い町並的な独特の佇まいを見せている。
 大口の団体客も多く訪ねていた頃は賑わっていたのだろうが、現在は閉店している店舗も多く、うら寂しさが漂う。

 (19.04.06) 
 

須佐神社門前の風景 (佐田町)
 

 

 

 

 

 出雲大社の南3kmほどのところで日本海にそそぐ神戸川の支流・須佐川沿いの狭い盆地に位置する須佐地区。須佐神社の門前町として町場が古くから発達していた。スサノオノミコトゆかりの神社と言われるところは多くあるが、この須佐神社は唯一御魂を祀っているとされ、多くの参拝客でにぎわった。
 現在も訪れる客は少なくないがほぼ全て自家用車での訪問で、門前街は機能を終えている。歩いてみると元店舗らしい構えの建物や、旅館の文字の見える看板の残る建物などが見られ、わずかながら面影を残していた。

 (22.06.05) 
 

入間の風景 (掛合町)
 

 

 

 

 

 掛合町の南端付近、三刀屋川の最上流域に入間という小さな集落がある。国道が迂回して建設されたためそのまま残った好例で、街路に沿って家々が連なっている。
 江戸時代、農間にはこの一帯で盛んに行われた鉄穴流しや炭焼など、製鉄に関連した稼ぎがあった。後半には吉田村の田部家による運営で、入間鈩(たたら)による製鉄も行われた。
 今歩くと産業や農業で繁栄した名残は感じられるものの、折しも解体中の家があるなど寂れているという感が拭えなかった。無住の建物も多いようで、集落の中央にある商店が、鮮やかな鯛の意匠の看板を掲げたまま閉業されている姿が象徴的に感じた。

 (22.06.05) 

 
 

久喜の風景 (瑞穂町)
 



 


 


 

 石見銀山というと、大田市にある世界遺産にも登録されている大森のことを指すのは常識的なことであろうが、広島県との境に接するこの久喜という地区も大規模な銀山があり、大森同様に幕府領であった。銀山の名は大林というのだからまたややこしい。
 鎌倉期から開発されたと云われ、戦国期には毛利氏により本格的な採掘がはじまったという。明治には津和野の名士・堀氏により再開発され、現在判っているだけでも420ほどの間歩(採掘孔跡)が確認されている。
 県道脇に残る旧道に沿い赤瓦屋根の家並が見られ、銀山による富を反映してか立派な構えを持ち、土蔵を従えた家もあり、山村集落と言うよりは町場的な展開を示している。

 (24.03.24)  

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