小さな郷愁風景〜鳥取県の風景〜

光の風景 (赤碕町)


 大山の麓にある赤碕町。海岸部は古くからの港町て、内陸部は豊かな農村が広がっている。
光の集落は、その農村部の一角にある50戸ほどの小さな集落である。
 ほぼ全戸に蔵が備わり、それらには例外なく海鼠壁の装飾がしつらえられている。そして、土扉や側壁部などを中心に、見事な鏝絵が沢山見られる。
 これらの大半の海鼠壁・鏝絵は、この地の左官職人吉田貞一(1985年没)の作品である。海鼠壁は山陽地方では余り見慣れない模様が多く、派手な印象を受ける。また、鏝絵も立体的に造られた鶴、巾着や蕪、亀や鯉など多彩な表現で、博物館のようである。
 壁の芸術でもあり富の象徴でもある海鼠壁そして鏝絵。このような小さな集落で集中して見られるのは極めて珍しいものである。
 (03.06.01)
 

 



阿毘縁の風景 (日南町)




阿毘縁(アビレ)は県南西部の山間の町である。周囲は標高500m前後のなだらかな高原状でのどかな農村地帯である。冬は雪深いこの地域、しかし家々の造りは立派で、厳かな門を構えた豪華な屋敷も幾つか見られるではないか。
これらはたたら製鉄で財を築いた商家群である。中国山地では良質の砂鉄が産出されていたが、特に島根県・広島県・鳥取県の県境付近で盛んであった。製鉄所の遺構が残っているのみのところが多い中、この屋敷群は貴重である。

 (05.08.07)



落折の風景 (若桜町)






 落折集落は若桜の市街地から山間に入り、播磨との国境にほど近いところに突如として現れる。僅かな平地に家々が固まっており、かつて商売をしていたお宅が多いのか1階部分が開放的な構造となっているものが多い。
 信憑性のほどは別として、この集落は平家落人伝説の附帯するところで、お住まいの方も全て平家姓なのだという。

 (14.07.
01)

戻る