大宰府の郷愁風景

福岡県太宰府市【門前町】 地図 
 
町並度 4 非俗化度 3  −現在は学問の神様として知られる天神様の総本宮−


 大宰府天満宮の歴史は10世紀に遡り、菅原道真を祀る場として社殿が建立された。
 道真には神位が授けられ、以後天神様と崇められることになった。
全国に1万以上ある天神さまと呼ばれる神社の総本宮とされ、「学問・至誠しせい・厄除けの神様」とされた。中でも学問の神様としての存在が有名であり、受験シーズンを控えた時期になると全国から多くの志願者が訪れる。今回私が訪ねた時も、修学旅行なのか高校生らしい生徒の集団が何組も参道を行き来する姿を眼にした。

訪ねる人が絶えない天満宮


 
 西日本鉄道の支線である大宰府線の終点を降りると、直ちに門前街がはじまり参拝気分が高揚してくる。但し、参道の両側に展開するのは多くが近代的な装いの土産物屋などであり、伝統的な構えを守っているものは決して多くない。
 その中で天満宮に一番近い位置にひときわ目立つ木造3階建てが眼を引く。もと旅館だったそうで、現在は甘木屋という店舗となっていて、名菓梅ヶ枝餅などが売られる。建物の存在感、そして立地条件からも、この建物があるか無いかで門前街の雰囲気が大きく左右される重要なものとなっている。どうか大切に保存していただきたいものだ。
 脇道に入ると人々の往来が急に途絶え、光明禅寺という寺院付近に広がる落着いた佇まいや、連続性は低いものの伝統的な商家・町家が散見的に残っている。
 
 




門前街の最も神社に近い位置にある木造三階の建物




門前の町並




周辺の枝道に散見される伝統的な商家建築

訪問日:2016.10.30 TOP 町並INDEX