海老江界隈の郷愁風景

大阪市福島区【都市部の非戦災地区】 地図
 町並度 5 非俗化度 9
 −長屋と銅板町家 貴重な石畳路地も残る−
 






海老江二丁目の町並 海老江四丁目の町並




海老江七丁目の町並 海老江七丁目の町並
 

 ここで紹介する海老江地区は大阪市街地の北西部、淀川に接する一帯である。商工業地域と住宅地が混在する地区で、阪神電鉄や地下鉄の便もよく、近年になってJRの新線が開通し、福知山線方面と片町線方面とが連絡されている。
 工場とオフィスビル、商店や住宅の雑然と混在する中に古い町並と呼べる風景があちこちに残っているのもこの地区の特徴だ。それは第二次大戦時に戦災を逃れた地域と一致している。特に海老江7丁目では石畳の敷かれた路地が巡り、近くに幹線国道が走るところとは到底思えない風景が展開している。生活路として防火バケツや自転車その他が置かれている路地風景は絵になる。この石畳路地は独自の自治組織により、車の通行禁止など保存活動が行われているようだ。大都市の一角であることもあり有名になりそうであるが知名度は低く、生活の匂いが染み付いたような貴重な風景を見ることが出来る。
 海老江地区にはその他にも北側の二・三・四丁目界隈にも所々に古い建物が残り、また周囲には由緒正しい神社などもあり庶民の町という風情である。各地区に共通するのは長屋風町家だろう。これは大阪独特のものと言え、平入り町家が路地の両側に多数連続した外観を示す。また二階正面を銅板に被われた建物も所々に見られ、都市部の古い町並を象徴する風景が残っていた。
 







(上3枚)海老江七丁目の町並

訪問日:2008.11.23 TOP 町並INDEX