愛知川の郷愁風景

滋賀県愛知川町宿場町 地図 
 町並度 4 非俗化度 8  −静かな佇まいが特徴の旧中山道宿場町−



 愛知川町は滋賀県のほゞ中央に位置し、湖東地方の田園地帯に町が開けている。古くは中山道が通り宿場町としてもにぎわったところだ。
愛知川の町並 近江商人屋敷の建物
 
 高宮宿より二里、武佐宿より二里一八町の位置にあり、28軒の旅籠と本陣・脇本陣を有し、大名行列も受け入れていた。問屋場も3軒あり、周辺に広く大通行時に宿駅業務を補佐する村(助郷村)を持っていたという。
 町は北町・南町で構成され、旧北町の北端にある交差点から伝統的家屋が見え始める。まず近江商人屋敷との標識のある旧田中家屋敷が存在感を示している。田中家は麻織物を取扱っていた商人で、明治以降になって母屋や中庭を整備し、広大な敷地を持つ豪商宅として引き継がれている。
 連続した古い町並はごく一部に残るだけであり、その点が少し残念ではあるが、虫籠窓を持つ中二階の町家、当時はランドマーク的存在であっただろう銀行風の洋風建築など、往来の中心にあったところであろうことは疑いのないところである。
 南部には明治天皇巡幸の際に休憩所となった旧旅籠竹の子屋が、現在は格式ある料亭に姿を変え営業されているのが印象的であった。








愛知川の町並



明治天皇巡幸の折に休憩所ともなった料亭(旧旅籠)

訪問日:2011.05.22 TOP 町並INDEX