新保・宿の郷愁風景

福井県越前町<漁村> 地図 
 町並度 5 非俗化度 9 −越前海岸の中心集落の一つ−
 
 
 
   
 



 

新保の町並 



 


 越前岬より南に5kmほどの所にかつて四ヶ浦と呼ばれた港町がある。古くは別々の浦であったことから名づけられたもので、昭和の大合併までは四ヶ浦町という自治体であった。現在でも学校名等にその名が見られる。
 
 漁港風景   


 新保浦・宿浦は四ヶ浦の南部に位置し、両地区を跨ぐ位置に漁港があり漁船が舫われている。越前から加賀にかけての海岸は入江に乏しく、越前岬の南側の凹部で少しでも風波が凌げるということで港が発達したのだろう。
 現在は越前カニの水揚げにより民宿なども多く、冬期を中心に賑わいを見せるこの界隈も、外海に直面しているため漁業環境は良いものではなく、両浦との間で漁場争論が絶えなかった。また狭い平地に展開する両集落間の屋敷地についても争論がしきりに発生したという。
 国道の1本山側がかつてのメイン道路と思われ、古い建物はそちらに面して展開している。家々が連なっており両浦の境界は定かではない。どっしりした造りの木造二階が多く、一部には三階建も見られる。さまざまな意匠の持送りが見られるのも印象的だった。所々に派生する路地の密集した家並は漁村らしいともいえるが、どちらかというと商業町といったほうが相応しい家並の印象を受けた。
 
 





 
 宿の町並 
 
※文章の一部は「梅浦の郷愁風景」と共通

訪問日:2021.03.27 TOP 町並INDEX