秋月の郷愁風景

広島県江田島町<港町・漁村> 地図  <江田島市>
 町並度 4 非俗化度 8 −呉市街地を間近に望む江田島東岸の集落−





斜面上に展開する秋月地区の集落風景


 




 江田島町秋月地区は島の東岸、対岸には呉市の市街地と港湾地区の工場群を見渡す位置にある。付近は島の幹線道路から外れており、静かな環境にある。 
 島の東海岸では数少ないまとまった集落で港として古くから開けており、特に西風による波により対岸の吉浦・和庄の港に着岸できないときには、当港が避難港となったという。秋月という地名も、西風が秋に卓越することから、秋附(着)からの転訛ともいわれる。
 海岸から少し歩くと狭い平地は尽き、家々は斜面上にも大きく展開する。雛壇状に家並が展開する光景はこの島では珍しいといえ、非常に特徴あるものといえるだろう。商家を思わせるような入母屋屋根の御宅も散見される。港と言っても対岸や近在の浦々との往来程度であっただろうし、他に何か生業としたものがあったのだろう。
 ふと眼にした情報によると、10年ほど前まではもっと隙間なく家々が密集していたとのことで驚く。もっと早く探訪しておけば良かったとの思いを抱くが、現在の姿でも十分集落としての特徴は感じることが出来る。
 なお明治以降海軍が町はずれに貯油タンクを設置するなど軍事的な土地利用が増え、現在は海上自衛隊が使用している。また地区の北側には米軍の秋月弾薬庫もある。
 






訪問日:2022.10.10 TOP 町並INDEX