深草の郷愁風景

京都市伏見区<商業町・街道集落> 地図
町並度 5 非俗化度 6 −京と伏見を結ぶ街道沿いに商業が集積−






深草(伏見街道沿い)の町並


 この深草地区は東山界隈から一直線に伏見市街地に向けて伸びる一本道に沿っている。伏見街道と呼ばれる路だがこの界隈では直違橋
(すじかいばし)通と呼ばれることが多かった。地内に架けられていた橋が川に対して斜角を持っていたことが由来といわれる。
 京と伏見を結ぶ街道として重要な役割を持ち、伏見廻り八ヶ村の一つに含まれ城下町の一部にも含まれるこの深草地区は商家の連なりが古くからあり、賑わいを呈していたという。当時は城下町として揺るぎない自治都市であった伏見の存在感を抱かせる。古くから土器の生産が盛んで伏見人形もその産物であり、また農産物にも恵まれ伏見北郊にあり城地を支える町であった。
 地区の北端は伏見稲荷大社であるが、商店街が連なるのみで門前町的風情には乏しい。むしろ線路を越えた南側から徐々に町家建築が目立ってくる。漆喰に塗り込められない外観など、京都の中心市街地で見る姿に酷似しており、一方で土地利用の制約がそれほど強くない影響か、間口はやや広いものが多いと感じる。蔀戸や床几などが残る旧家もあり、商家であったことがわかる。
 古い町並は伏見街道沿いのほか西側の師団街道沿いにも展開し、マンションなどに更新されるなか存在感を示していた。




深草(師団街道沿い)の町並




深草(伏見街道沿い)の町並

訪問日:2009.02.01 TOP 町並INDEX