福崎の郷愁風景

兵庫県福崎町【商業町・街道集落】 地図
町並度 4 非俗化度 7 −「銀の馬車道」沿いに開けた町−




福崎(辻川)の町並


 福崎町は姫路市の北に接し、中国自動車道と播但連絡道とが交わり交通の要所ともなっている。
 現在は都市郊外といった雰囲気だが、かつては姫路藩域北部の要地であるとともに、生野にある銀山からの鉱石が飾磨の港に運び出される街道が通っており、その沿道にあることで賑わっていた。
 関ヶ原の役を機に池田輝政が姫路城に入り、以後幕末まで当地は姫路藩領であった。
 福崎は播但街道の宿場町として指定され、大街道のように参勤交代などの大通行はなかったが、この街道には生野の銀を運搬するという大きな使命があった。近年、銀の馬車道として地元で売り出しをしているが、この街道は我国初の高規格産業道路として馬車による鉱石の輸送に耐えうるよう、砕石を敷設するなど数多くの土木技術が注入されたものであった。
 町並は現在の播但線の駅からは遠く、市川を挟んだ対岸、国道312号線が東進から北進へ直角的に曲がる交差点を直進したその先付近にある。代表的な建物が大庄屋をつとめた三木家だが、訪ねた時は解体修理中で仮囲いに覆われていた。県の指定文化財となっており、この町並を象徴するものとして今後も保存されていくだろう。
 銀の馬車道を案内する看板があり、近くには柳田国男の生家などもあり外部からの訪問客も見られ、完全に風化することはないと思われたが、古い町並としてはやや淡いものがある。旧大庄屋三木家を中心に、前後の街道筋に残る家並が少しでも注目されるように願いながら後にした。
  











大庄屋三木家の裏手に見られる土塀 母屋は改修中である(右はWikipediaより転載)


訪問日:2014.04.06 TOP 町並INDEX