二川の郷愁風景

愛知県豊橋市【宿場町】 地図 
 
町並度 5 非俗化度 6 −本陣の遺構を残す旧東海道宿場町−








 二川は豊橋市域の東端にあり、すぐ東は静岡県に接している。東海道の時代には宿駅が置かれ、東の白須賀宿、西の吉田城下にそれぞれ1里余りの位置にあった。本陣・脇本陣それぞれ1軒のほか、30軒ほどの旅籠を有しており、その半数は飯盛旅籠であったという。本陣の建物が残っていることで価値の高い町並で、解体修理され復元されたものではあるが街道に面する門構えは厳かそのものであり、東海道の本陣であることを認識させられる。
 宿場は二川・大岩の二村で構成され、宿駅業務はそれぞれで分担して執り行われていたという。大岩村は加宿と呼ばれる位置付けであり、他に大通行時に補佐業務を行う助郷に指定された諸村が25ヶ村程度あった。
 渥美半島への入口にあたり、また遠江とのつながりも深くそれらとの往来も頻繁であったこともあり商業の集積地ともなっていた。慶応期の記録では酒屋や質屋、味噌商などをはじめとして40軒ほどの商家・商店が存在していたとされる。
 東海道本線の二川駅前は東海道に面しているが、道路拡張が行われていて全く往時の面影はない。東に歩を進めていくと本来の幅に狭まり、徐々に伝統的な建物が散見されてくる。最も町並として残っているのは本陣跡付近より東側の数百メートル程度で、その規模は今ひとつではあるが質的には決して低くない。1階部分も改装され格子が端正に保たれている旧家もあり、それが数軒連なる一角は古い町並らしい光景であった。
 





旧二川宿本陣








訪問日:2010.01.02 TOP 町並INDEX