祇園の郷愁風景

京都市東山区<花町> 地図
 
町並度 7 非俗化度 0  −京都の代名詞ともいえる町−



祇園新橋(新橋通)の町並 祇園新橋(新橋通)の町並


 祇園地区とは市街東部、鴨川の東、四条通りを挟んだ八坂神社門前一体を指す。ここは古くから歓楽街として栄えた歴史がその建造物とともに伝えられる最も京都らしい一角である。
巽橋付近の町並★




花見小路通の横路地




白川沿いの景観




花見小路通の町並


花見小路通の横路地


 18世紀初頭には八坂神社の西に祇園外六町・内六町が整備され、寺社参拝客などのための歓楽街が形成される。その後明治時代に至って四条通の南側にも拡大し、現在の姿がほぼ完成している。
 祇園地区の家並は非常に特徴的で、江戸期からの建造物も数多く残るのに背の高い二階建てばかりであり、二階は座敷として通りに面して桟を張出し、その部分には簾をかけている。一階は赤銅色の紅殻格子を配する。原則的に二階建が禁止されていた中で、旅籠と花街の建物は特例があって、狭い土地のこと二階に客を通す造りにしないと機能しないからであった。この中で北側の新橋通、白川沿いの白川北通が重要伝統的建造物群保存地区に指定されており、ほぼ統一された家並は祇園を代表する町並景観となっている。白川沿いでは保存運動が起った当初、そんなことをすると地価が下がると反対する者もあったが、現在では保存地区の方が周囲よりも逆に地価は高いという。稀少価値があるからだろう。
 四条通より南の花見小路通周辺も明治期に発展した同様の家並が見られ、横道に入るとなかなか風情のある光景が展開している。しかし近隣には近年になって乱立したネオン街が接しているため、知識なしに訪れると非常に滑稽な感を抱くだろう。また、京都を代表する観光地区であるため、花見小路などは常に観光客で混雑しており、また南端には馬券売り場なども立地し、休日には人と車の雑踏を惹き起している。
 
※★印は2002年10月、それ以外は2005年1月撮影の画像です。


訪問日:2002.10.13
(2005.01.03再取材)
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