興居島の郷愁風景

松山市由良町他 <漁農村集落> 地図 
 
町並度 4 非俗化度 8  −松山市街地から最も近い離島−



 

 

 

 由良地区


 興居島は松山沖わずか1km余りのところ、南北5kmほどのやや細長い島で、郊外の高浜港から由良・泊の二港と船便で結ばれる。便数も多く、松山市街地への通勤者も多いほか、観光やサイクリングなどで訪れる人も多い。
 中世には軍事的拠点としても重要な位置を占め、気候にも恵まれていることから近世に入ると農業も盛んに行われ、半農半漁で生計を立てた。明治6年の『和気郡地理図誌』には人口3,710、船210(うち漁船12)とあり、物産として塩と魚とある。
 主な集落は船の発着する北部の由良地区と南部の泊地区で、他にも幾つか集落が散らばっている。道の起伏が少なく、集落を回る分にはレンタサイクルで周遊するに十分な島である。家並は平坦地から緩い傾斜地にかけて展開し、漁村を思わせる細い路地が多い。そんな中に商家を思わせる立派な門を構えた邸宅が散見されるのが特徴に思えた。これらは漁家ではなく農業で財を積み重ねた家々なのだろうか。中には、塀を四囲に巡らせ、土蔵は付属屋を配置し、奥に入り母屋の立派な主屋を見せる屋敷もあった。
 今では興居島みかんというブランド名でも呼ばれるように、蜜柑栽培も本格的に行われている。
 

 

   
 

 

泊地区 


訪問日:2025.04.20 TOP 町並INDEX