奈良県五條市<商業町> 地図 町並度 4 非俗化度 7 −金剛山への登山道にあたり古くから発達した集落− |
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五條市域の最北端付近、吉野川の支流宇智川左岸の丘陵地にある近内町一帯は農地と宅地が交錯し、地区の東側に国道24号バイパスと和歌山線が縦断し、北宇智駅が位置している。 |
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近内町の町並(藤岡家住宅) | |
平安期には近内荘という荘園名が見え、江戸期は最初は郡山藩領のち幕府領となる。 平地から丘陵地へ向うなだらかな土地が広がり農業が盛んで、また金剛山への道のりにあたっていたことから登山者が多かったことで、近内村は商業も発達した。金剛山は修験道の山として大峰山とならび多くの行者が参詣し、また高野山へ向う者も多かったことで人が多く往来する土地であった。またこの道は峠を越え南河内へつながっていた。 酒屋・醤油などの醸造、瀬戸物屋などがあり、旅籠屋も存在し行者たちの休泊にも利用されていた。明治以降は徐々に修験の場としての役割は薄れていったが、近郷の中心地としての位置は変りなく、大正期には養蚕が盛んとなりその産繭量は群を抜いていた。 付近を歩くと農村集落的な雰囲気の中、入母屋屋根を持つ立派な家屋が散見される。金剛山への古い道標や寺院もあり、また脇道には井戸を発見したりと、変化のある散策となった。その中でひときわ存在感を放っているのが、登録有形文化財の藤岡家住宅だ。江戸期には庄屋を務め、薬種商や両替商など様々な商売を営んだ家で、内部が公開されている。多くの土蔵をはじめ豪華な意匠や建材を使用した座敷、商家時代の多くの品々の展示など必見のものがある。 |
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訪問日:2024.09.14 | TOP | 町並INDEX |
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