五所川原の郷愁風景

青森県五所川原市【商業町】 地図
町並度 3 非俗化度 8  −津軽平野北部の中心−








看板建築・土蔵を従えた商家の見られる五所川原の町並



 五所川原市は岩木川の中流域、津軽平野北部の代表的な町で、市街地周辺は多くの小河川や水路が巡る低湿地帯となっている。
 現在の町の中心付近は17世紀後半に五所川原新田として開発されたのが始まりである。周辺の沼沢地を陸地化し、河川の流路を改変し町場と農耕地を整備、五所川原遣という行政単位の中心となった。五所川原は在町として徐々に発達した。 岩木川は水運にも利用され、支流十川との合流点付近に荷揚げ場があったことも町が発達した要因だろう。
 明治になると北津軽郡役所、税務署他が置かれ政治的にも地域の中心となった。大正初年の記録では農家129戸に対し商業256戸、工業121戸と周囲の諸農村とは異なり都市型を示しており、豪商・豪農もこの頃多く輩出している。大正7年には後に国鉄五能線となる陸奥鉄道が川部から五所川原に達し、昭和初期には能代まで開通、その頃津軽鉄道も完成し物流・交通の要衝となった。
 町の中心を歩くと、市街地全体に土地の余裕があるような雰囲気を感じる。街道集落や港町のように自然発生的に家々が集積したものとは異なって、新田開発後に計画された町らしい雰囲気がある。古い町並としてはまとまった箇所は見られないが、所々に大柄な土蔵や商家風の建物を見ることができる。 看板建築の商店が連続する風景があちこちに見られるのも特徴的であった。
 また昭和の雰囲気を残す飲み屋街もあり、やや古い町並といえる風景が展開していた。
 




昭和の雰囲気を持つ飲食街

訪問日:2017.01.01 TOP 町並INDEX