浜田の郷愁風景

島根県浜田市【城下町・港町】 地図
 
町並度 3 非俗化度 9 −城下町を基盤に発展した石見地方随一の漁港−




京町の町並


 浜田は石見地方の中心的な町で本格的な港湾施設があり、また山陽側とも高速道により直結していることから比較的利便性の良い場所にある。
 関ヶ原の役後に石見は一時全域が幕府の直轄領となったが、元和5(1619)年に伊勢松坂から古田氏が浜田に入り、同時に浜田藩が成立している。築城し城下町を建設、中世から発達していた港を基盤に職人町や侍屋敷、町家などが計画的に整備されていった。商業も発展し、天保の頃には豆腐屋や酒屋、油屋など100軒余り、大工や鍛冶などの職人も150人余り既に存在していたという。豊かな漁獲にも恵まれ藩の財政は潤っており、幕末の長州戦争で敗北するまで石見最大の町場として繁栄しつづけていた。
 石見地方の中では比較的先進的なイメージのある町ではあるが城下町の面影を残す地区もある。市街地西部の京町、新町から紺屋町にかけてで、浜田川と山陰本線、国道に囲まれた一帯である。もっとも多くの地区では近代的な商店や繁華街、住宅街の連なるエリアである。伝統的な建物が残るのはごくわずかであり、古い町並としての連続性は淡いが、国道を通過しているだけではこの町に古い姿が残されているとは想像できないような市街地風景であり、その意外性は感じられるところである。
 一部では土蔵の連続した風景や、旅館街を思わせる街角の風景もあった。




京町の町並




京町の町並 錦町の町並


訪問日:2011.11.13 TOP 町並INDEX