江原の郷愁風景

兵庫県日高町【在郷町・宿場町 地図  <豊岡市>
 
町並度 5  非俗化度 8  −円山川水運により町場が発達−




 



江原駅前付近の町並


 日高町江原は但馬地方の中央、円山川左岸の比較的平坦な土地に展開しており、山陰本線江原駅の東側に市街が開けている。付近は但馬国府の所在地ともいわれている。
 江戸期には出石藩の保護のもと、在郷の市場町として発達した。天正年間には町場と定められ諸役免除の特権が与えられていた。発展は円山川の水運によるところも多く、18世紀前半の享保〜宝暦年間頃にかけて舟運が急速に発達し、城下町から商都となった豊岡への物資輸送、さらに湯島と呼ばれた城崎への屋形船なども盛んに発着した。円山川は中流域から下流域にかけて盆地が連なり河床勾配が緩く、流れが緩やかで水量も豊かであることから水運に適していた。
 また山陰道の八鹿から分岐し、豊岡・湯島へ至る街道が通り、江原には宿駅が設置されていたという。
 江原駅を起点とすると右手の枝道(「トキワ通り」と表示がある)から所々に商家風の建物が現れはじめ、国道に出ると旧街道沿いらしい連なった家並が展開していた。虫籠窓を持ち、本うだつを両妻に立上げた旧家。多数の土蔵を従えた酒造家の姿もあった。市場町、さらに宿場町として各種商家が建ち並んだであろう姿が想像できる町並が展開していた。多くの家では1階正面がガラス戸などの開放的な構造となっており商店であったことを示していた。そんな中で端正な出格子が残る旧家があり、古い町並らしい風情を演出しているようであった。
 
 




江原(国道483号沿い)の町並




 江原(国道483号沿い)の町並 造り酒屋の土蔵群 



宵田の町並

訪問日:2021.06.26 TOP 町並INDEX