飛騨国府の郷愁風景

岐阜県国府町<街道集落> 地図  <高山市>
 町並度 4 非俗化度 8  −高山と越中を結ぶ街道沿いに発達した−
 












 旧越中西街道に沿い展開する国府の町並
 

 
高山本線で高山から北に二駅目に飛騨国府という駅がある。明治から2005年まで国府村(町)という独立自治体もあり、その由来は飛騨の国衙が置かれていた地との説もあるが確証はない。古川盆地の南端に位置し、比較的平坦地に恵まれている。
 高山から越中に抜ける道はかつて古川を経て宮川沿いに下る越中西街道と、東側に峠を越えて神岡を経由する越中東街道があった。現在の国府町中心部にあたる広瀬地区から少し高山寄りにその分岐点があった。
 現在の国府町の中心集落は飛騨国府駅前付近の県道沿いに街村的に連なっている。越中西街道沿いに人家が集積して発達した集落なのだろう。慶長18(1613)年の飛騨国郷帳には既に町方と記され、18世紀後半の天明期の記録では114軒の家屋に510余りの人口が合ったとされ、桑や楮、麻、煙草、藍などが栽培生産されたとある。
 県道沿いには商家を思わせるせがい造りの建物が土蔵を挟みながら残っていた。瓦屋根よりトタン葺が多いのも飛騨地方らしい町の風景である。裏手の宮川に近い辺りにまでに土蔵を配した姿も見られ、非常に敷地、特に奥行が深いのも特徴だ。
 

訪問日:2018.08.12 TOP 町並INDEX