宮原は八代平野の一角、氷川の下流域に開ける町で国道3号線が町を縦断している。
古くから薩摩街道が通過し、幹線交通の要所として町が形成されており、宿駅も置かれ参勤交代の街路となっていた。また八代郡の郡代詰所もあって、郡内の行政の中心として機能していた所でもあった。
平野の東端に位置し、氷川の谷口集落として五家荘など上流側の山村地域とも結びつきが強く、商業町としても発達していた。
国道3号線の一本東側に旧薩摩街道が道筋を残している。古い町並として連続した風景は少ないものの、質の高い伝統的な建物も一部残っている。中でもひときわ目につく厳かな門を構えた豪壮な商家建築は1832年建築、代々造り酒屋を営んできた旧家だ。多くは現代風の建物に建て替わっている中で、存在価値は大きいものがある。
町並の連なりとして保存する水準にはないものの、ささやかながら古い建物の保存運動も行われているようで、地道に続けていただきたいものだ。 |
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