姫浜の郷愁風景

香川県豊浜町【港町・産業町地図  <観音寺市>
 町並度 4 非俗化度 10 −綿と廻船で栄えた町−

             





姫浜の町並 入母屋の屋根を持つ家屋や長屋門が見られる点が特徴だ
 

 
愛媛県に接する県の西端付近、瀬戸内海に面して豊浜町姫浜地区がある。地名の由来は6世紀頃、宇佐の宮から3柱の姫神がこの地に奉還されたことによるものといわれている。 江戸時代は丸亀藩領であった。
 中世より綿花の栽培が盛んで、江戸期に入ると繰綿などの商品が生産され珍重された。砂糖、小麦とならび讃岐三白と呼ばれる特産品で、特にこの付近を含む西部で栽培・生産が盛んだった。
 姫浜は南に隣接する和田浜とともに港町としても発達した。「西讃府志」によれば、人口1700人余り、商船9を数え、加子(参勤交代時の公船などに仕える役を藩から任命された者)も6軒あった。綿製品をはじめとした産物が積出され、大坂などに運ばれた。
 予讃本線の駅の西側が地区の中心で、近年になって整備されたバスも通る車道以外は迷路状の複雑な街路が連なり、よそ者は迷いがちになる。その点漁村的なのだが、見られる古い建物は商業町的だ。一部につし二階形式の古い姿を留める町家建築は入母屋屋根を持つものも多く、格式を感じる。また立派な長屋門を持つものもあり、裕福な村だったことを伺わせる。
 
 

 










訪問日:2017.08.13 TOP 町並INDEX