平鹿の郷愁風景

秋田県平鹿町【在郷町】 地図 <横手市>
 
町並度 4 非俗化度 8 −横手盆地の要として商業が栄えた−




平鹿(浅舞地区)の町並
 

 平鹿町は横手盆地のほぼ中央、東部の一部を除き何本かの雄物川の支川沿いに開ける平野部が展開している。
 中心部である浅舞地区は盆地の中央部にあって街路が収斂するところにあり、毎月1・4・6の日に開かれる定期市が江戸時代より開催され、また周囲に馬の産地があったことから馬も多く取引されたという。主要街路は通っていなかったが脇道が集う要の位置にもあって、宿駅的な役割をも有していたとされる。
 また伝統的な稲作地帯である横手盆地にあって、造り酒屋も多く立地し今でも地場の酒造家が息づいている。市街地のすぐそばに豊かな湧水地が見られることから、酒造りに欠かせない良質の水が豊富に得られるところでもあったのだろう。
 中心街は近代的な商業施設なども見られ、平鹿郡の中心として賑わった様子が伺えるが、随所に伝統的な妻入りの町家建築が残っている。連続性は高くないが現在でも小売店などとして現役のものも少なくない。空家はほとんどなく活気が感じられる町並であった。
 大正時代に横手から私鉄が結び、戦後しばらくまでは物資の輸送など町の発展に寄与していたというが、奥羽本線は東に外れて建設され、幹線国道もここを通過しなかったことが古い町の姿を残す結果となったのだろう。 
 








幼稚園の入口にある旧群奉行所の門

訪問日:2012.08.13 TOP 町並INDEX