禅林街の郷愁風景

青森県弘前市【寺町】 地図
 
町並度 5 非俗化度 6  −杉並木に囲まれた曹洞宗の寺院のみが連なる寺町−




 
禅林街の風景 左は通りの東端に構える黒門


 弘前の城下町は津軽藩主2代目信牧の時に本格的に計画・造成され、その時に寺院も一箇所に集められた。城からは裏鬼門にあたるという南西側を固める目的で、津軽一円から寺が集められた。寺町は城下町の守護・防衛の目的で計画されることは少なくないが、この禅林街は規模が大きく、町並としても見応えのあるものである。
 寺の数は33にも及び、全て曹洞宗の寺院であるため禅林街と呼ばれており、国史跡にも指定されている。その東側の入口には厳かな門(黒門)があり、周囲の住宅地・商業地とは画然と分かれている。禅林街は東西の一直線の街路に沿い展開し、亭々とした杉並木が連なっているのも特徴的だ。付近は寺院以外の建物はなく、門や塀も厳かさを醸しだしている。
 黒門から見て最も奥に位置するのが長勝寺で、通りを見渡すような位置に建てられている。代々津軽家の菩提寺であり禅林街造成時に鯵ヶ沢から移したものといわれる。日光東照宮と並び称されるともされる寺院建築ともされ、他の寺とは格が違うといった雰囲気を漂わせていた。
 寺町は旧城下町ではよく見られ、現在も面影が残る町も少なくないが、規模的・町並景観的には最も優れているもののひとつといえよう。




 

 


禅林街西端の長勝寺



 
訪問日:2016.12.31 TOP 町並INDEX