町屋の郷愁風景

茨城県常陸太田市<宿場町> 地図 
 
町並度 4 非俗化度 9 −棚倉街道の宿駅−
 













町屋の町並


 町屋地区は常陸太田市の中心部から北に5km余りの位置にある。久慈川の支流里川が大きく湾曲した内側に直線的に展開する街村集落だ。
 これは水戸城下と奥州を結ぶ棚倉街道で、藩政期には宿駅が置かれていた。
 当初は佐竹氏領であったが、慶長14年より水戸藩領となり維新を迎えている。
 棚倉街道は奥州の藩主の通行もあり、準主要街道ともいうべきものであった。この町屋の場合、宿屋の発達もあったが、水戸家代々の墓石に使われていた斑石と呼ばれる石材が得られたため、その産業町といった側面もあった。また、金も採掘され、町屋金山とよばれた。
 旧道は国道のバイパス化によりそのまま残されたが、その竣工は昭和56年であり、比較的近年まで幹線道路として利用されていたことになる。佇まいの外見的な印象は、旧宿場というには各家の間口が広く、広い庭を持つものもあり、むしろ裕福な農家の連なりともいうような姿であった。寄棟の屋根を持つものもあれば、入母屋の見ごたえある外観を示すものもあるなど様々であり、統一感がないだけに歩いていて楽しさを感じることもできる。
 


訪問日:2014.05.04 TOP 町並INDEX