鷹島の郷愁風景

長崎県鷹島町<漁村> 地図 <松浦市>
 町並度 4 非俗化度 7 −近海の好漁場に恵まれた陸続きの島−
 




阿翁地区の町並 左は明治元年創業の現役の旅館




阿翁地区の町並 


 鷹島は東松浦半島の西、長崎県に属しているが現在は半島部から架橋され佐賀県側と陸続きとなっている。また、長崎県側からは御厨・今福の各港から船便がある。
 南北5kmほどの島に集落が散在しており、ここでは北西部にある漁村・阿翁地区を中心に紹介する。U字型の深い入江に面し、海岸部の阿翁浦と周囲の阿翁に分かれており、いずれも元寇の激戦地となった。その折阿翁浦は西浦と呼ばれていたという。
 江戸時代からは阿翁浦は島内屈指の漁業基地として発達し、「郡村誌」では漁業従事者は50戸を数える。壱岐水道や玄界灘などの近海漁業が主で、現在も定置網などの漁のほか、養殖漁業も盛んである。
 また阿翁村では良質の石材が得られることから石業特に墓石加工が盛んに行われ、阿翁石として肥前一帯に知られていた。
 訪ねると入江の水深は深く、漁港に相応しい地形であることが判る。主に入江の東側と南側に家並が展開し、狭い平地に漁家が密集している。その中で異色なのが港近くにある旅館建築だ。明治元年創業という老舗で、現在も現役の旅館・料亭として使われている。




日比地区の町並



佐賀県側とを結ぶ鷹島肥前大橋
 阿翁地区とは反対の東岸部には一回り小さな漁村集落・日比地区がある。ここは架橋される前に本土側との渡船が出ていたところである。現在はひっそりとしており、静かな路地風景が展開していた。

訪問日:2018.01.03 TOP 町並INDEX