松崎の郷愁風景

鳥取県東郷町<宿場町> 地図 
 町並度 4 非俗化度 7  −東郷湖に面する山陰街道沿いの町−







松崎の町並


 松崎は東郷湖の南岸に面している。この湖は湖底から温泉が湧くところで、小規模ながら温泉地であり羽合温泉と並んで東郷温泉郷を形成している。
 山陰本線の駅前正面から湖岸に向ってホテルや旅館があり、湖岸沿いの幹線道路との間に旧山陰街道が東西に道筋を残している。松崎には宿駅が設けられ、制札場もあったという。また周辺の農村からの年貢米などは港町橋津へ向けて積出された。東郷湖は橋津付近で日本海につながっており、水運にも利用されていた。
 松崎は明治37年に国鉄山陰本線がここに伸びて以来、商業が盛んになり三八市という市が定期的に開かれたり、商店や旅館、飲食店が集まり賑った。海産物・農産物・農具をはじめ、地域の特産でもあった茶も名産品として珍重されていた。
 温泉が発見されたのは大正に入ってからと比較的新しいが、それにより湯治客なども加わり益々活況をしめした。
 旧山陰道は今では生活道路となり、地元住民以外の車両は入ってこない。伝統的な建物が所々に残り、古い町であることがわかる。店舗として営業されている姿は少ないものの、家々の造りは1階部が開放できる構造が多く、様々な商店が連なっていただろうことを感じさせた。









訪問日:2004.06.20 TOP 町並INDEX