法勝寺の郷愁風景

鳥取県西伯町<宿場町> 地図 <南部町>
 町並度 3 非俗化度 9  −伯耆の最西端にあった宿駅−










法勝寺の町並
 
 西伯町法勝寺は県の西部、島根県に接する位置にある。古くからの行政・交通上の要地で、現代に入って法勝寺鉄道が米子とを結んでいたこともあった。昭和40年代になって自動車交通の台頭で廃止になったが、それだけ西伯地域の一中心であったことがわかる。
 米子から日野地域を結ぶ往来は日野川に沿うのが本筋であったが、現在の国道180号線に沿う往還もあり、主に和鉄産業の発達によりその重要性を増していった。
 法勝寺では出雲母里(島根県伯太町)へ向かう脇往還も派生していたこともあり、鳥取藩から宿駅の指定を受け宿場町が立地した。藩の本陣(御茶屋)や制札場も置かれ零細な街道の割にはその体裁も保たれ、とりわけたたら鉄の発展により鉄の問屋が多かった。また江戸後期に入ると木綿産業も発達したため木綿を商う家も増えた。
 現在はそのような中心的役割を担っていたところとは思えないほどの閑散ぶりである。伝統的な建物は残っているが散見されるにすぎず、古い町並としての連続性は保たれていなかった。
 それでも街路に面して角度を持った建て方で統一されていたらしく、数棟並んだ一角では雁行する様子が街道集落らしい風情を感じさせた。
 


訪問日:2011.06.19 TOP 町並INDEX