飯山の郷愁風景

長野県飯山市<城下町> 地図
 
町並度 5 非俗化度 6  −仏壇・仏具と和紙の城下町−







 

愛宕町「仏壇通り」の町並


 飯山市は北を新潟県に接し千曲川の左岸に市街地が開ける。北信地区の主要な町の一つで冬は雪深いところである。
 政治的・軍事的にも古くから北信濃の拠点となっており、越後への入口となっていたことから武田氏、上杉氏などの攻防の舞台となっていた。天正10(1582)年、北信濃に進出した上杉景勝は飯山城を修築させ、城下の町割を整備し上町・下町などを造り、城下町の基礎を築いた。
 江戸時代は飯山藩が成立し地域の中心となり、寛永16(1639)年に藩主となった松平氏は千曲川の治水工事など多くの土木工事を行い、また上町など従来の街区に加え飯山五町と呼ばれる城下町を形成、また町の北西側には多くの寺を移設し寺町とした。
 現在も城下町時代の町割が良く残り、特に飯山線の北飯山駅付近から線路西側の街道筋に濃厚に感じられる。特徴的なのが仏壇・仏具を扱う店舗が多いことだ。飯山の伝統産業として300年の歴史を持ち、仏教の信仰心の厚い土地柄であることや漆塗りに適した湿度が保たれるなどの条件が重なり発達した。特に愛宕町付近は仏壇通りとして知られる。老舗らしい構えを持つものも多く、また歩道は雁木調の庇が張り出しており、特徴のある町並風景が展開していた。明治19年に市街の多くを焼失した大火を経ているので、古いものでもそれ以降に建てられたものだろう。
 飯山駅に近い本町、南町といった地区にも旅館や土蔵を従えた商家など、密度は低いものの伝統的な建物が散見された。
 飯山はまた内山紙と呼ばれる和紙生産も伝統産業として知られる。楮のみを原料とするのが特徴で、原皮を雪に晒すなど独特の製法を経て完成した紙は丈夫さと白さが加わるといわれる。
 
 




南町の町並(旅館) 上町の町並

愛宕町(寺町公園ふれあい館として整備されている建物群)


訪問日:2026.04.04 TOP 町並INDEX