五十崎の郷愁風景

愛媛県五十崎町<産業町> 地図 <内子町>
町並度 5 非俗化度 10 −大凧揚げで有名な町 和紙で栄えた−






五十崎の町並


 五十崎町は現在では内子町の一部となっているが、本来独立した自治体で、端午の節句に行われる大凧合戦が良く知られる所である。しかし幹線道路に面しておらずまた内子町の影に隠れるような位置にあることからやゝ地味な印象である。
 長浜に注ぐ肱川の支流・小田川沿いに市街地が形成され、水運により町が発達した。主な産物は紙や木蝋、菜種、付近の山村で生産される木炭などであったが、それらはほとんど川船により積出され大洲に運ばれたり、長浜で海運に委ねられたりしていた。特に和紙は大洲半紙として有名であり、江戸期の基幹産業となっていた。大凧合戦も紙生産が盛んだったことと無関係でなかろう。
 町の中心を流れる小田川は意外にも広々とした流れで、その両岸に市街地が開けている。左岸側が五十崎地区、右岸側が平岡地区で、メインの道路から建物の密集した地区に入ると、木質感の高い古びた家並が連なっていた。うだつや虫籠窓が残るような旧家はほとんど見られないものの、一部では明治の豪商を思わせる重厚な構えの町家建築もあり、また商店の姿があった。
 最近になって建てられた、規格化されたような家屋がほとんど見られないことが古い町並としての連続性を高め、探訪を印象深いものとさせてくれる。
 




平岡の町並




平岡の町並

訪問日:2010.07.19 TOP 町並INDEX