室町の郷愁風景

大阪府池田市<住宅街> 地図 
町並度 3 非俗化度 7  −わが国最初の鉄道沿線分譲住宅街−





整然とした街路に様々な表情の建物が見られる室町の町並


 
池田市室町は阪急池田駅の南西方を占める一角で、梅田までは20分ほどのところにある。
 室町はその成立ちから非常に特徴性のあるところである。明治43年、阪急電鉄の創設者・小林一三氏の発想により分譲住宅地が計画され、以来100年余りの歴史を有している。鉄道会社が開発した分譲住宅街は現在では数多く見られるが、ここはその端緒となった町であり、重要な町並と云えるだろう。
 100坪に固定された二階建の住宅を10年間の月賦販売で売ったことも当時としては斬新なものであり、購入対象も資産家や高額所得者ではなく一般的な労働者とし鉄道を利用した大阪への通勤を前提としたものであることも特徴であった。
 室町住宅と呼ばれたこの分譲地は、鉄道分譲住宅街の先駆として成功したことで、都市域の私鉄沿線各地に後続事例が生れ、それぞれ住宅地として町として発展している。
 この地区を歩くとまず街路が整然と直交していることが特徴として挙げられる。各街路筋では、それぞれ異なる家並の表情となるよう設計されたといい、木造住宅から洋風の外観を持つ建物などさまざまな家々が並ぶ点も特徴であった。今は建物として二代目以降となっている姿も目立つようだが、住宅団地のように画一化された姿ではなく、変化が感じられる。そしてそれらの建屋も現代の流行とは一線を画した特徴ある外観を持つものが多い。或るものは街路に向けてテラスを張り出した洋風の佇まいを見せ、また他のものは土蔵を従え瓦を葺いた門を構えている。当初から生垣や石垣を基調とした街づくりとなっており、今でも緑濃い風景が見られるのはそれを踏襲しているからだろう。
 
 






 


 

訪問日:2026.07.15 TOP 町並INDEX