因幡船岡の郷愁風景

鳥取県船岡町<陣屋町・在郷町> 地図 <八頭町>
 
町並度 4 非俗化度 10 −陣屋町に発祥する川運の拠点−

   




船岡の町並


 船岡町は県の東部、千代川の支流・八東川の流域に町が開けている。因美線の郡家と若桜をつなぐ旧国鉄若桜線(現若桜鉄道)の駅が設置され、国道をはじめ比較的交通の便は良いところである。付近は平野が広がっており、穀倉地帯である。
 鳥取藩主池田光政は元和3(1617)年この地に重臣であった丹羽山城守を3200石で配し、地域の統治を任せている。八東川に注ぐ支流付近に居を構え、下町・坂町などの陣屋町を計画した。その後池田光仲が藩主となると、家老であった乾氏を船岡に配して政治を執り行わせた。この頃より船岡には定期的に市が立っていたことが記録されている。
 八東川には高瀬舟の発着所があり、上流側で生産された薪炭や穀類はここで小型船から大型船に積み替え、千代川に入り鳥取に運ばれていた。
 このように地域行政の中心、商業、物流、交通の要の地として発達したところのようだ。町を歩くと、二つの支流に挟まれたあたりに伝統的な家屋が散見され、寺院もみられることから古い町であることがわかる。屋根は概ね山陰系の赤褐色の瓦で、屋敷の板塀にも用いられている姿は風情を感じる。









訪問日:2014.08.13 TOP 町並INDEX