明和の郷愁風景

三重県明和町<街道集落> 地図  
 
町並度 5 非俗化度 8 −伊勢参宮街道沿いに展開する町並−
 





斎宮の町並


 明和町は松阪市と伊勢市に挟まれた位置にあり、北は伊勢湾に面している。
 古代より文化の興った地であることがわかっており、縄文・弥生期の遺跡が発見されている。また中世には複数の城が町域に構えられていたようであるが、最も重要な歴史は伊勢参宮街道の繁栄だろう。
 現在の四日市市内にある東海道の日永追分から南進し、白子・津・松阪を経由して伊勢に向かうこの街道は伊勢参りの大幹線であった。明確に宿場町という形態はとらなかったが、街路沿いのあちこちに旅籠が存在し、また茶屋や土産物屋、食事処、休憩所などが建ち並んでいた。それが現在の町域、東西約4kmにほぼ間断なく続いていたというから、伊勢参りの人数が尋常なものではなかったことを示している。特に庶民の間でブーム的に沸き起った御蔭参りの折には、参詣集団が波のように押し寄せていたに違いない。
 西部の斎宮地区、小さな川を隔てた東部の上野地区・明星地区のほぼ全てにわたって街村形式の町並が展開している。際立って見応えのある旧家が連なっているというわけではないが、新しい建物を挟みながら平入り・妻入りの町家風建築が随所に残っており、歴史的な町並であることは疑いない風景である。
 訪ねたとき、街道探訪らしい徒歩の方に何組か出会った。今でも伊勢への街道として認識され、探訪する方々も絶えないようだ。
 




上野の町並
訪問日:2013.08.14 TOP 町並INDEX