磐城浅川の郷愁風景

福島県浅川町<陣屋町> 地図 
 
町並度 4 非俗化度 10
  -陣屋町として政治の中心だったが-





 浅川町は県の南部、白河市の東方約20km、阿武隈川の支流社川の沿流にある。市街地は右岸側の小高い台地の上に展開している。









 
 江戸初期は白河藩領に属していたが、寛保2(1742)年に越後高田藩領となり、浅川に代官所が置かれることになった。本町に陣屋が置かれ、その支配領域は258ヶ村、石高8万あまりに及んだ。
 19世紀になると幕府領になり、幕府浅川代官の直轄領、さらに伊達郡川俣陣屋支配、東白川郡塙陣屋支配を経て幕末を迎えた。とはいえ、藩政時代の多くは、政治の中心だったところである。
 戊辰戦争の折には当地も戦場になり、疲弊した町では百姓一揆も勃発して商家や問屋が破壊された。明治前期には浅川村の過半を焼失する大火にも見舞われるなど、災いは続いた。その後は稲作や養蚕、煙草栽培などの農業を軸に現代を迎えている。
 水郡線の磐城浅川駅の東側付近が陣屋町時代からの古い市街地で、本町付近の南北の街路、その北側の突当りの東西の街路を中心に古い建物が見られる。散見の域を出ないが、入母屋造り妻入りの見応えのある建物、伝統的な構えのまま営業を続ける商店、土蔵などが見られ、歴史を持つ町であることがわかる。
 商店だった名残の建物も多く、かつては地域の賑わいの中心だったのだろうが、今では人通りも少なくその面影も淡くなっているようだった。
 

訪問日:2015.09.22 TOP 町並INDEX