福光・今浦の郷愁風景

島根県温泉津町<港町・漁村> 地図 <大田市>
 町並度 4 非俗化度 10 −石州瓦の家々が連なる半農半漁の町−
 








 福光の町並 


 温泉津町の西部にある福光及び今浦地区。山陰本線の石見福光駅があり、また国道9号線の新道が高架橋となって地区近くを跨いでいる。福光川の河口付近には砂浜海岸が開け、海水浴場もある。
 福光の地名は中世から見え、福光郷とも呼ばれたというが、大きな港は持たず半農半漁の村で経過している。産業としては石材の産地として知られ、30戸の石工が居住していたとの記録がある。
 また西に接する今浦は大森代官所領で、銀山領二十二ヶ浦の一つに数えられていた。漁業と廻船業で栄えたところである。
 両集落とも福光本領の枝郷とされ、明治8年に周囲の村と合併し福光村が成立したときの記録では、農276,漁60とあり農業寄りの半農半漁の村で、大工60・木挽32・左官26など商工人も数多く存在したところであった。
 現在両集落を歩いてもそのような数値を誇ったことが信じられないような静かなところであった。石見独特の赤褐色の瓦に葺かれた家並は風情を感じさせるが、無住の家が眼につくのが気になった。一部には格子の残る旧家も見られた。
 一方の今浦地区は、緩やかにカーブする道に沿い家々が固まっていた。福光よりやや大柄な邸宅が目立つのは廻船業なども行う家が多かったからか。
 集落の西端からは日本海の雄大な眺めが開けていた。
 




今浦の町並

訪問日:2015.07.19 TOP 町並INDEX