石見津田の郷愁風景

島根県益田市 【港町】 地図 
町並度 4 非俗化度 10 −廻船業も発達した益田七浦の一つ−



 津田地区は益田市街から北に5km余り外れたところで、日本海に面し穏やかな海浜が展開している。
 日本海に流れ込む津田川の河口部が港として古くから開かれ、益田七浦と呼ばれる港町のひとつとして発達した。宝暦3(1753)年に波止場が整備されてからは廻船業を営む者もあらわれている。近海海運に従事するものも多く、藩に船役銀を納付している。
 また江戸末期より畳表の生産も盛んであり、石見畳表として各地に知られていた。
大柄で豪壮な屋敷も見られる津田の町並








 

 現在は静かで小さな集落であるが、その名残は濃く残っている。最も象徴的なのは津田川の河口にある敷地の広い邸宅で、厳かな母屋をはじめ離れや蔵などが密集し、塀に囲まれた庭などもあり、この町には不似合いなほどの豪壮さである。加賀の橋立にある北前船船主屋敷をも想起させる屋敷であった。
 伝統的建物はそれほど集積して残存しているというほどではないが、この邸宅が町並全体の価値を高めているようであった。
  

訪問日:2012.06.17 TOP 町並INDEX