石見横田の郷愁風景

島根県益田市<河港町・商業町> 地図
 町並度 4 非俗化度 10 −高津川の舟運中継点として発達−









横田の町並 石州瓦の渋い家並が残る
 

 益田の市街中心から南西に6kmほどのところにある横田地区。山口線の駅のほか匹見方面への街路が東に分岐する。小さいながら要衝の地といったところだ。
 江戸時代は津和野藩領で横田代官所が置かれた。高津川は舟運が発達し、上流部に位置する津和野城下、また柿木村などから高瀬舟が上下していた。横田はその中継地となり賑わった。船大工が複数居り、18艘の商船を有していたという。
 高津川右岸に川の流れに直行する形で古い市街地が展開している。街村的な展開で、上市・中市・下市と呼ばれ宿駅的役割もあったといわれる。こんなところにというと失礼だが、現在も現役の立派な旅館がある。但し建物は新しかった。
 古い町並としての連続性は低いが伝統的な建物が散見される。瓦を載せた立派な門をもつものも見られ、また二階部に虫籠窓を纏った塗屋造りの建物もあった。
 今では通過するばかりの小さな町並ではあるが、かつては水陸双方の要衝として賑わいの地であっただろうことが、訪ねると伝わってくる。
 




訪問日:2018.05.06 TOP 町並INDEX