岩立・金屋谷の郷愁風景

鳥取県溝口町【農村集落】 地図  <伯耆町>
 町並度 4 非俗化度 10
 −大山を仰ぎ見る集落群−
 


 


 
岩立集落 街路端に常夜灯が見られる 
 

 

 岩立集落


 霊峰大山の西麓、裾野の穏やかな斜面が展開するところに岩立、金屋谷の集落が固まっている。両者は山裾を外周する県道を挟んで隣接しており、近くには米子自動車道の溝口ICがある。
 いずれも藩政期は会見郡の一部で、大山領中組に属した。大山諸院に物成米と呼ばれる租税を納めるかわりに、さまざまな恩恵を受けていた。溝口道と呼ばれる大山への参詣道のひとつに沿い、岩立地区には道標が3基残っている。農村集落であり、緩斜面上で水利に苦労していたが、江戸後期になり金屋谷地区に隣村の大内地区より延々と水路が開かれ、稲作が可能となった。幕末の慶応4年の記録では家屋数・人数が岩立31・134、金屋谷は60・275とある。
 両集落で印象的なのが、比較的視界が広々としており大山の雄姿が常に望めるところだ。岩立地区には、広々とした敷地を持ち瓦を葺いた立派な塀を持つ屋敷が印象的で、また両集落とも土蔵を複数持つ邸宅が目に付き、裕福な農村集落の佇まいであった。
 
 



 
金屋谷集落 
 

 

訪問日:2025.07.05 TOP 町並INDEX