総津の郷愁風景

愛媛県広田村<在郷町> 地図 <砥部町>
 
町並度 5 非俗化度 9  −深い山中に展開する意外性の古い町並−






総津の町並

 総津地区は旧広田村の中心で、肱川水系の最上流部に展開する山深いところだ。
 中世には伊予の諸勢力が土佐に対抗する前線基地として立花城が存在し、大野氏が居をかまえていたが、天正2(1578)年に土佐の長宗我部氏との戦いで討死した。
 江戸期は大洲藩領で、周辺の支流を集める要の位置にあり小規模ながら在郷町的な賑わいをしめしていたようだ。しかし、後背地が狭いためその実態は農村であった。それでも明治初期の記録では600人弱の人口を擁し、菜種や櫨、楮、煙草などが栽培され他地域に出荷されていた。
 町の中心に造り酒屋が昔ながらの構えで鎮座している。このような小さな町に今なお現役で営業されていることは近年貴重なものになってきている。この造り酒屋を中心に、細い街路に沿って古い町並が残されていた。小規模ではあるが新しい建物がほとんど混ざらないため、落着いた見応え度の高い家並であった。
 
 



町並の中心に位置する造り酒屋


 




訪問日:2013.06.08 TOP 町並INDEX